げんかい6500の中の様子を耳を澄まして聞き、乗務員の「しばらくお待ち下さい。」の 言葉と同時に非常ハッチを開けて、上半身を乗り出してゲストの無事を確認してから、 「お待たせしました。どうぞこちらへお進み下さい。」 全員出たら、 「このたびは不測の事態により海底都市を見学していただくことはで きませんでしたが、海底に住むことの素晴らしさは充分にご理解いた だけたと思います。今月は全てのお部屋に照明器具をお付けする キャンペーン期間中ですのでどうぞ早めにご検討下さい。残念ながら お気に召さないという方は、環境悪化のいちじるしい地上生活をお続 けになることになりますが、(うそ泣きをしながら)お気の毒です。」 感想用紙入れを指さしながら、 「感想をご記入の上、旅行券をこちらの箱の中にお入れ下さい。本日は 1年3組提供、海底住宅見学ツアーにご参加いただき、ありがとうござい ました。」 一礼 |