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よみがえるマンモス 企画を考えよう(資料1)
テーマ「春日部にマンモス出現!生命科学研究所」 設定理由 マンモスは火を起こし、道具を使うようになった人類とともに原始の地球を歩んできた身近な動物である。それが絶滅の道を辿ったのはどんな原因があったのだろうか。一方でマンモスのミイラから精子を取り出し、それをアフリカ象の卵子と体外受精することで限りなくマンモスに近い99パーセントマンモスを誕生させようとするプロジェクトが進行中である。生命科学のロマンと生命の絶滅という光と陰の対比をテーマとしてこの「春日部にマンモス出現!生命科学研究所」を企画した。 大まかな内容 ・ 入り口で受付を済ませ、入場券を受け取った観客はガイダンスを受けるためのビデオルームへ通される。ここではマンモスについての基礎知識とツアー参加にあたっての注意事項などがVTRで説明される。 ・ VTRを見終わった観客はレクチャールームへ通される。ここではシベリアの永久凍土から発掘したマンモスの精子からどのようにマンモスを誕生させるかのあらましの説明をうける。 ・ レクチャールームを出た観客はいよいよマンモスの模型にお目にかかる。 ・ マンモスの模型を堪能した観客はエンディングルームへ案内される。ここでは今回のテーマである環境問題や生命科学のロマンについて説明をされる。 ・ 観客は出口で感想を記入し、展示場を後にする。 テーマ「ハリー・ポッター」 設定理由 大人気の映画「ハリー・ポッター」シリーズ。10名(全て女子)から同内容の企画書が提出され、それらの企画のいいとこどりをして、このテーマを設定した。元の提案書の中には映画の解説や魔法についての説明をしたいというものがあったが、それらは実際に映画や本をみる面白さに負けてしまうので、それを展示のメインにすることは避けたい。そこで、ハリー・ポッターシリーズの世界観を観客に伝えることと、劇(ショー)を開催することでオリジナリティーを全面に打ち出したいと考え、このテーマを設定した。 大まかな内容 ・廊下に映画化された話を含む全ストーリーの世界観についての展示をする。観客は廊下に並んでいる間もそれらを見て退屈することがない。 ・入口から入ると、そこは今回のテーマについての解説を説明係から受けるレクチャールーム。映像を交えて解説する。解説員はマイクを使い、観客はヘッドホンで聴く。(舞台の音が大きくて聞き取りにくいため) ・レクチャールームを出るとそこは町並み。不思議な世界が広がっている。通路幅は2メートルとする。 ・いよいよ今回のメインステージである、劇場に通される。劇場は18人収容の大きさで、全体に町並みやホグワーツ城、魔法学校の雰囲気を伝える装飾がされている。観客の中から一人を選んで、その人の夢を聞き、劇の中にそのセリフを入れる工夫をする。魔法学校についての説明をして、劇(ショー)の中で観客に参加してもらえる部分があることを伝える。 ・劇場が暗くなり、いよいよショーのスタート。ショーは音楽、効果音、セリフを事前に収録したCDを使い、当日は時間制で役者が交代しながらノンストップで観客の入れ替え→説明→ショー→観客の入れ替え…を繰り返していく。 ・悪の心に取り憑かれた魔女に主人公たちが魔法を封じ込まれようとしている所を観客の「夢」の力で悪の心に打ち勝ち、魔女が元の姿に戻るという10分間のショーとする。 テーマ「恐竜探検ツアー」 設定理由 小学生時代には誰もが一度はハマる恐竜の世界。今回も5名(全て男子)から企画書が出され、そのいいとこどりをしたのがこのテーマである。 大まかな内容 ・廊下に並んだ観客を小グループに分けながら、ツアー参加券を配る。 ・入口から入ると、そこはレクチャールーム。恐竜の世界について映像を交えて解説する。 ・いよいよ恐竜ワールドに移動開始。レクチャールームを出て、おそるおそる前進する観客の頭上からティラノザウルス(の首)が襲いかかる。 ・首長竜のまたの下をくぐって、密林を進んでいく。密林の合間から恐竜の生活を観察することができる。 ・出口で環境を大切にして欲しいことのメッセージを読み上げ、感想用紙に記入してもらう。 テーマ「鉄腕アトム」 設定理由 アトム生誕の年にふさわしいテーマである。作者の手塚治虫氏は「アトム」は単なるヒーロー物ではなくて、人間とロボットの隔絶がテーマであると言っていた。ここでは、科学技術の光と陰について、「鉄腕アトム」の原作漫画を元にして考えていきたい。今年の4月にスタートしたリニューアル版のアニメについては、まだ始まったばかりで資料は少なく、また過去のアニメについてもほとんど資料やビデオが出回っていないため、映像を利用した展示は断念した。また、アニメーションを自作するということも検討したが、その後の調査により時間的にも予算的にも無理があり、そちらも断念せざるを得なかったのが心残りである。また、アトムのような人間型のキャラクターは、その顔の表情を立体模型で作るのはとても難しく、その点も不安が残る。 大まかな内容 ・廊下に並んだ観客を小グループに分けながら、ツアー参加券を配る。 ・入口から入ると、すぐに目に入るのがアトムの製作現場。手術台に横たわるアトムをガラス窓越しに見るイメージで展示する。 ・アトムを見ながら通路を通り、とびらを開けるとそこは手塚治虫資料館。手塚氏のアトムにかけた思いを探求する。手塚治虫氏の他、お茶の水博士などの主要人物の平面模型が立って、観客を暖かく迎えている。未来科学への夢、人間の傲慢さ、人類愛。医師免許をもつ氏ならではの視点についても追求したい。解説員は「手塚治虫資料館の職員」として、熱い思いを語りかけるような説明をする。 ・資料館を出ると、そこはこの展示のメインである劇場。劇場係員の説明の後、いよいよショータイムがスタートする。アトムは可動式の人形で、操作係が抱え込んだ状態で操作する。ショーの内容は、秘密の組織に戦闘用ロボットとして作られた巨大ロボットと対決するストーリーとする。 テーマ「天空の城ラピュタ」 設定理由 まず、始めに断っておくが、「天空の城ラピュタ」は決して夢のある話ではない。科学技術の発達と人間の欲望が人類全体の身を滅ぼすという警告が全体のテーマである。最後に飛行石が大木と共に空へ上がっていく様子は、大自然が人間の欲望にあきれてしまって見放されたしまったような感じにさえ思えるシーンである。しかし、バズーとシータの純粋な心が悪に勝利するという結末が、平和への一筋の光と思わせることでこの映画は人々の心を惹きつけた。 当初はスライドの製作を検討したが、製作にかける日数や予算的な都合で、スライドと展示を同時に行うのは困難である結論に達した。(そもそも展示の1コーナーとして5〜10分の短い時間の作品をスライドで上映しても、幼児向けの紙芝居のような出来になってしまうことが予想される) 去年の2年6組で行った「E.T.劇場」のような作りを想定してテーマを設定したが、人間のキャラクターを立体模型で再現するのはとても難しく、少しでも表情が不自然だと全体が台無しになってしまう恐れがある。その点が不安材料でもある。 大まかな内容 ・廊下に並んだ観客を小グループに分けながら、ツアー参加券を配る。 ・入口から入ると、オープニングビデオが上映される。ビデオの内容は映画「天空の城ラピュタ」の名場面と、クラス全員の一言解説とする。 ・ビデオが終わると、次の部屋へ通される。そこはバズー(主人公の少年)の部屋というイメージで、空に対する憧れが部屋の装飾品に感じ取れる作りとなっている。人力飛行機や飛行船などの模型などもある。解説員による説明が行われた後、次の部屋へと進む。 ・バズーの部屋を出ると、そこはラピュタ博物館。飛行石のパワーに取り憑かれた人間の欲望が地球を破壊する様が、現代の科学技術の発達と重なるようで怖いというイメージが観客に伝えられるような資料を掲示する。説明員が資料を読み上げながら、くわしく解説していく。 ・博物館での説明が終わると、いよいよメインであるラピュタ劇場に入場する。座席はなく、観客は好きな位置で立って見ることになる。説明員による簡単な説明の後、いよいよ劇場の開幕である。映画のシーンをビデオスクリーンで投影し、映画の各シーンの立体模型が順次スポットライトで照らされる。 |
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